先行者がいないと この先は不安だけれど、
横堂までは とりあえず行ってみることにする。
鳳来山の山頂の向こう側の雪庇も、1ヵ月前より大きくなっている。
鳳来山山頂を振り返って見る。
私もウサギさんのトレースの辺りを歩きたいんだけど(いや、もっと端を・・・)
我慢して木の近くを歩くよ。(;^ω^)
うわ! 横堂の先が、1ヵ月前よりスゴイことになってる~。
あんなところを私独りで登るなんて、やっぱりキビシすぎるなぁ~。( ノД`)
( パッと目に入った時の急斜面の迫力が写真では分からず、残念。)
大きな雪庇から下ってはいけないので、
向こうの尾根から登ることはできないし・・・
う~む・・・ここで折り返しか?
しばし立ち止まって あちらこちらを見ながら考え・・・
結局 急斜面に少しでも登ってみることにした。
このブナのそばに祠があるのだけれど、すっかり雪の下に。
サラサラめな雪は スノーシューで踏み込むと崩れやすく、
何度も何度も踏み固めながら ジグザグに登り始めた。しかし・・・
間もなく そのジグザグも厳しくなり、進めなくなった。
どうしよう・・・ここで戻ろうか?
振り返って見下ろしてみたものの・・・
戻るのも大変な感じ。(;^ω^)
次の一歩が崩れて 何mも滑り落ちてしまうのではないかという緊張の中、
とにかく登ることにした。
でも、これ以上 急斜面をスノーシューで登るのは難しかった。
雪の様子を確かめたら ツボ足でも大丈夫そうだと思い、
少し安定して立てるところで スノーシューを外した。
それからは、
・・・スノーシューで目の前の雪を崩して落とし、
膝で雪をつぶして一歩を蹴りこんで 体重がかけられるくらいに固め、
慎重にそこに乗る・・・
と繰り返して、
下に滑り落ちないようにと緊張しながら 一歩ずつ登った。
ようやく急斜面を登りきることができたのは、
祠のあるブナのそばを登り始めてから22分後だった。(;^ω^)
振り返ると、
悪戦苦闘しながら登ってきた急斜面は見えず、
下に 横堂付近の雪庇、その向こうに鳳来山が見えた。
この急斜面をやっと登って ここで折り返すってことはないよね~。(;^ω^)
せめてもう一つの急坂を登って大黒台のブナ林まで上がりたい。
スノーシューを履けばラクなんだろうけど、
次の急坂もツボ足で登る可能性が大きし・・・
まだ慣れないスノーシューを履くのに時間がかかるし・・・
ツボ足でも行けそうなので、
このまま次の急坂までツボ足で行く。
次の急坂までのところの雪庇も、
1ヵ月まえよりだいぶ大きくなっていた。
1ヵ月前に登れなかった辺りは、
雪がたくさん積もったことで 逆に高い雪壁が無くなり、
一歩一歩 少しずつなら登れる状態になっていた。
振り返った時に下に見える自分の足跡が、
自分を励ましてくれている気がした。
前回登れなかったところを通過し、ほっと一息。
鳥海高原ラインの方を見ると、
車道を登ってきた人たちが休憩中のようだった。
さらに登り・・・
ようやく大黒台に上がった時には、ホッとした。
ちょっと気になったのは、少し前からガスが流れてきていたこと。
でも、ホワイトアウトになるほどではないだろうし、
これから晴れていくはず!
・・・と自分に言い聞かせて先へ進む。
大黒台にも雪がたくさん積もっていて、
台地に上がって間もなくのところにあるはずの倒木も全く見えなくなっていて、
だ~っと平らになっていた。
何だか初めてのところに来たみたい。
雪が積もると、無雪期とは景色が変わって 違う山のように感じられるんだよね。
南高ヒュッテから見えた真っ白な外輪山、
晴れていれば大黒台のブナの木々の間からも見えるはずだけど、
ガスがかかってしまって見えない。
オモシロイ雪の造形をあちらこちらで見つけて眺めながら歩いていたら、
やや西よりに進んでいたので、
途中から方向を少し変え・・・
10:34 『限界杉』に到着。
鳳来山からここまで、無雪期の2倍の時間かかった。
雪の付き方がスゴイなぁ・・・。(;^ω^)
限界杉から先、
晴れていればチラチラ見えるはずの外輪山は ガスで見えなくなってるし
時々 ガスで辺りが白く霞むけれど・・・
地形を見ながら登っていけば大丈夫。
この時期に 穏やかな天気の日はなかなか無いし
あの急斜面を登って ここまで来たんだから、
滝ノ小屋まで行きたい。
そう思いながら進んでいるうちに、
陽が差し始めた。
足元には 霧氷が落ちたらしい跡。
この辺りのブナ林も、朝のうちは霧氷でキレイだったんだろうな・・・。
ジワジワ登っていくと、
木々の間から見える空も少しずつ明るくなってきていて、
元気が出てくる。
あらまぁ・・・細い枝についていた霧氷が こんな姿に?
『 の 』。
ブナ林を抜けると・・・ガス。
でも地形をよく見て行けば大丈夫。
白い花が咲いてるみたい。
さっきまでの太くて背の高いブナと違い、
この辺りは強風でクネクネに曲がったブナが多い。
そのブナが霧氷を纏った様子がキレイで感激。
何度も立ち止まって眺めた。
昨年歩いた時よりも やや東寄りのところを登ることにし、進んでいくと・・・
奥に滝ノ小屋近くの斜面が少し見えた。
うお~っ、元気が出てくる~。
・・・③へ続く・・・