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のんびり山などを歩きながら 目に入ったものをパチリパチリ。そんな写真による記録。

◆『大噴火とよみがえる大自然』…パトリシア・ローバー:文 千葉とき子:訳



カリフォルニア北部からカナダのブリティッシュ・コロンビアまで続く火山帯“カスケード山脈”の中にある
『セント・へレンズ山』。
植物や動物などがたくさん見られ、
人々が釣りやキャンプ、ハイキング、バードウォッチングなどを楽しむところだったそうだ。

数千年もの間に何度も噴火を繰り返してきたセント・へレンズ山。
100年以上も活動がみられなかったその山が、
1980年3月20日の地震とともに 再び活動。
小さな地震や爆発が続いた後、5月18日に大噴火を起こし、
美しい円錐形だった山頂部分は 吹き飛ばされてしまったという。

そんなセント・へレンズ山の大噴火後の経過が、写真とともに詳しく説明されていた。

 

目にとまった文章の中からいくつかを。

1982年に、火山のまわり約4万5000㎢が、『セント・へレンズ山国立火山記念地』に指定された。
指定地以外は整地して、ふたたび植林してもよいことになったが、
指定地の中では、何ものも変えてはいけなかった。
それは、
科学者たちが、セント・へレンズ山でおこったことや、おこりつつあることを研究し、
あらゆる年代の見学者たちが、噴火の影響と生命の復活を見ることができるようにしておくためであった。




これまで、セント・へレンズ山は何度も噴火した。
しかし、つねに生命はよみがえった。
今、科学者たちは、どのようにして生命がよみがえるのかを見守る機会をつかんだのである。
彼らはきっと、自然がどのようにして、みずからをいやすのかを理解するようになるだろう。

 

 

火山の大噴火~とくに生命がうしなわれた場合には~を、私たちは大きな災害だと思っている。
だが一方、火山は地球を生命にあふれた惑星にする手助けもしている。

 

 

火山は陸地の建設者である。
溶岩が洪水のようにあふれ出て、・・・陸地の大きなかたまりをつくってきた。
火山が、山脈や多数の島をつくり、人間やその他の動物そして植物が生活できる場所をつくったのである。

 

 

火山は、また、土のつくり手でもある。
火山灰や軽石、そして、いろいろな形をした溶岩は、そのうちにこまかく分解する。
それらは、植物や動物の遺骸とまじって肥沃な土になる。
その土は、多くのさまざまな生命をやしなう植物に養分を与える。



火山は破壊もするが、同時に建設もする。
どんな噴火のあとでも、生き物はもどってきて、生きていくための小さな足場を見つけ、分布を広げていく。

 

 

 

 

鳥海山に行くと いつも、
溶岩が冷えて固まった石や岩、溶岩流の跡などを見ながら、
・・・何度も噴火を繰り返しながらも、長い時間をかけて豊かな自然がよみがえって、今 こうしてあるのだ・・・
と思いながら歩いているので、
セント・へレンズ山の大噴火後の経過の写真を 興味を持って眺めた。

 

「火山は、破壊もするが 同時に建設もする」
大昔から起こってきた火山の爆発や河川の氾濫なども そうなのだろう。
では、今 世界各地で たびたび起こっている“自然災害“は、どうだろうか。

私の中に何か不調和があった時に心身の症状となって現れるように、
地球にも“症状“となって現れ、自らを癒そうとしているのかもしれない・・・。