文殊岳で景色を眺めながら一息いれ、また下っていく。
先に下っていった方が 立ち止まって撮っていたのは、
楽し気に咲くナナカマドの花だった。
外輪の内壁を覗き込んでみたら、
下の方にも ナナカマドの花が咲いているのが見えた。
千蛇谷を登っている時は、岩ばっかり見ていて、
植物には意識が向いてなかったなぁ・・・。
自分が意識を向けたものが見えるのだったな、と思った。
この辺りからは、ペースをさらに落として、
岩に張り付いている植物を観ながら ゆっくり下っていく。
「そんな隙間に咲いてるの?!」と言いたくなるような所に、
チョコチョコンと咲いてるイワウメ。
チョウカイフスマの花も咲き始めてる。
登山道のそばに置かれたオブジェ、のような石が見えてきた。
その上に、イワウメとツガザクラ。
これは・・・オンタデだろうか。
もうすぐ花が咲きそうなニッコウキスゲのツボミ。
ホソバイワベンケイがモリモリ。
なだらかで少し広くなっているところに、
ハクサンイチゲやミヤマキンバイがたくさん。
雪渓・・・夏道・・・溶岩流の跡・・・康新道の方・・・
しばし眺める。
山頂の方を振り返ると、
御浜が見えなくなっていた。
左側に目を移すと・・・
下に 千蛇谷に下りる手前のベンチが見えた。
あった!
見たかった花の一つ、イワヒゲ。
よ~く見ると・・・
小さな葉が鱗のようにビッシリ付いてて・・・
その間から赤い茎柄が伸びて 花が咲いてる!
花だけをパッと見ると ツガザクラと似てる。
どちらも岩に張り付くように生えている。
みんな、自分が好きな場所・自分に合った環境に生えてるんだなぁ・・・。
今の私は、自分の好きなところ・自分に合った環境にいるのかなぁ・・・。
イワヒゲ、ここにも咲いてた。
ホントに岩が好きなんだな。
イワヒゲも常緑小低木ということだけど・・・。
13:57 外輪・千蛇谷分岐まで下ってきた。
では、七五三掛の方へ下っていこう。
何度でも眺めたくなる景色を眺め・・・
下っていく。
14:05 七五三掛まで下ってきた。
山頂が だいぶ遠くに見えるようになった。
七五三掛からちょっと下ったところの湿地。
朝より雪が解けたみたい。
雪解け水に陽が当たってキラキラ光っていた。
雪渓を歩き、八丁坂へ。
気になっていたのは鳥海湖のこと。
鳥海湖のそばを歩きたいけれど、
その先 長坂道に上がる急斜面の雪渓を登れるのかどうか。
先行者が御田ヶ原の雪渓を登って行くのを見つつ・・・
迷いながら下ってきて・・・
14:23 御田ヶ原分岐まで来てしまった。
時間は まだある。
ハクサンイチゲを眺め・・・
コーヒーを飲んで・・・考えて・・・
向かったのは、こっち。
この日歩いたトレースがあったし・・・
蛇石流の辺りの様子を見たい気持ちもあったかも。
ツボ足で大丈夫な状態。
一歩一歩確かめつつ進んで行った。
木道を少し歩いて・・・
次の雪渓。
沢が流れているところでは、
足元の雪渓の下から水音が聞こえていた。
今まで気づかなかったけれど、
薄~い板を積み重ねたような板状節理の石があった。
登りより下る方がドキドキ。
でも、雪は固くなかったので 一歩一歩蹴り込みながら下っていった。
乾いた木道になると ホッとした。
14:53 鳥ノ海分岐まで来て 振りかえって見る。
さぁ、鳥海湖の方へ。
わ~い!
やっぱり、そばまで来てよかったなぁ・・・。
朝、上から眺めていた時より、雪が解けたんだろうな・・・。
鳥海湖を眺めながら歩いて ここまで来た。
問題は ここから。
・・・⑨へ続く・・・