河原宿の小屋の前で休憩中の方から
「これから上まで行くの?」
と訊かれ、
「月山森までです」
と答えた。
その方は、ビールを飲むのにちょうどよい場所を探して
そこでビールを飲みながら のんびりするのを楽しみに登ってきたそうだ。
ベテランという感じのその方は、
笑顔で話して歩いて行った。
ようやく葉が出て来たチングルマの間から コシジオウレンが一輪。
12:10 分岐から月山森の方へと入っていく。
分岐の辺りからは 毎年チングルマがたくさん咲くところ。
この時は まだ咲き始めという感じだったかな。
咲き揃った様子はもちろん可愛いし・・・
開いた花とツボミが混じっているのも可愛いし・・・
石に這うように咲く姿も可愛いね。
道のそばには、
イワイチョウや・・・
ツマトリソウの花も咲いていた。
ガスが流れる向こうに、青空。
すでに花穂になったチングルマも。
ふと湯ノ台コースの方に目を向けると、
雪渓を下っている人の姿が小さく見えた。
道の真ん中に もうすぐ咲きそうなニッコウキスゲ。
鉾立から山頂へ登ってきて大きく周回中と思われる方が追い越して行った。
その向こうから歩いてきたのは・・・
登山口でお会いした酒田の方だった。
私の顔を見て 驚いた表情に。
「オレ、月山森でカップラーメン食べてきたよ?」
驚かれて当然。
時計を見れば もう12時半前だもんね。
「気を付けて~。ゆっくり楽しんできてね~」
と言って下っていった。
「は~い! ありがとうございま~す!」
雪渓が残っているところや解けたばかりのところの様子には、
いつも何故か惹かれる。
ちょっと歩いては立ちどまって眺める・・・を繰り返した。
雪渓と枯れ草の景色のどんなところに惹かれるのか、
言葉にできないのだけれど。
木道の東側、枯れ草の間から顔を出しているたくさんのイワイチョウの葉。
大きな石の上、
枯れた枝のように見えるのは、もしかしてチングルマだろうか?
その間から 小さなハクサンシャクナゲが生えていることに驚いた。
種は どうやって運ばれてきたんだろう。
ここからしばらく雪渓歩き。
あの辺りの雰囲気、好きなんだな。
西の方へと回り込んで 再び木道に上がる。
前方から楽しそうな話し声が聞こえてくると思ったら、
木道の右側にある大~きな石(岩?)で、3人の方が休憩中だった。
「いい場所で休憩中ですね!」
「ここ、いいですよ~。」
月山森から戻ってきたら、私も あそこに座って一息入れよう。
雄しべがシュンシュン伸びて可愛らしい。
笹やナナカマドが生えたところの石の道を過ぎると、
また草原の中の木道に。
石を取り囲むように咲くチングルマが あちらこちらに。
何年か後には、上までチングルマが枝を這わせて
『チングルマ・ドーム』になるのかなぁ。
雪解け水がたまったところには イワイチョウ。
ボタ池は まだ雪渓におおわれていた。
ボタ池が雪渓の下から現れて 青空を映しているところを見たいなぁ。
葉が開く前のチングルマと そばに咲くコシジオウレン。
こちらは・・・にょきにょき・ニッコウキスゲ。
キレイな折り目とともに生えてきたコバイケイソウ。
ほんのちょっとの雪渓なのに、
木道を外れてズボッといきたくなくて ドキドキしながら足を置いて進む。
チングルマに包まれそうな石。
分岐近くまできて 西鳥海の方を見たけれど・・・ガスで白い。
月山森から西鳥海の景色が見えるといいなぁ・・・。
直進して幸治郎沢を下りて千畳ヶ原まで行きたいけれど・・・
また次の機会に。
雪解け水がザーザー流れる音が響いている。
勢いよく雪解け水が流れる音が聞こえている。
掘れた道は 水路のような状態。
雪渓を登る。
固くはなかったけれど やや滑りやすい感じだったので、
足の置き場に気を付けながら登っていった。
雪から夏道に上がる手前で 振りかえって見ると、
いつの間にか ガスが流れてきていた。
夏道に上がり、大きな石のそばを登っていく。
そうそう、
大きな石のすぐ上あたりに、毎年ハクサンチドリが咲くんだったな。
尾根に上がり、
ハイマツ・ササ・カエデ。ハクサンシャクナゲなどの木々の間の道を進んで行く。
池塘のある場所を見下ろし眺める。
月山森のピークを通過。
大きな石のそばに、ハクサンシャクナゲ。
こちらは、ハクサンシャクナゲのつぼみ。
いつものように、西側の眺望の良いところに向かう。
あれ? 以前 道が見えづらい状態になっていたけれど・・・
今回は大丈夫になってる?
・・・と思ったら、
やっぱり見えな~い!
浮き石があったり 木の根があったり 段差があったりするので、
足で探るようにしながら少しずつ進んでいく。
笹の次には、ハイマツやハクサンシャクナゲなどの道。
さあ、もうすぐだよ。
八丁坂で私を追い越して行った向日葵さん、いるかな?
と思いながら行くと・・・
いた、いた!
大きな石のそばで動く登山靴が見えた。
・・・④へ続く・・・