何となく 朝から心も身体も ドヨヨ~ンとしていたこの日。
家のことをする気にもなれず・・・
山歩きしようという気にもなれず・・・
それでも何もせずに黙っているのも落ち着かず・・・
結局 鳥海山麓へと向かった。
『のぞき』で コーヒーを飲みながら ちょっと景色を眺めて戻ってきてもいいし・・・
もしも登る気になったら 滝ノ小屋口から月山森辺りまで行ってもいいし・・・
と思い、
とりあえず登れる準備はして。
出発は8時頃。
車で向かうにつれ、少しずつ鳥海山にはガスが流れてきて・・・
登ろうかなという気持ちは 小さくなっていく。
鳥海高原ラインの木々は、少し色が変わってきたかな、という感じ。
真っ赤だったのは、ナナカマドの実と・・・ウルシ。
『のぞき』まで上がって行くと、鳥見の人たちが 何名か。
そのまま通り過ぎて車道終点へ。
車道終点から外輪方向を眺めると、
上の方にはガスがかかり
その下は 黄色になった木々の景色が見えた。
一番奥に 三脚を立てて鳥見している方が。
「今日は 鳥が全然飛んでないんだよ。
トビさえ姿が見えないもの・・・。」
とのこと。
しばらく その方のお話をお聞きしながら
遠くの山並みを眺めた。
車に戻る途中、私の後に来たらしい方が準備中だった。
「今日は 行けるところまでだなぁ~」
何となく 私も準備をして・・・
何となく 登山口に向かい・・・
10:01 何となく 登り始めた。
少しずつ黄色くなり始めた木々を眺めながら
ゆっくりゆっくり登って行く。
道のすぐそばに、真っ赤なマイヅルソウの実。
可愛いなぁ。
その近くには、
葉が落ち、茎の先に1つ2つの実がついたもの。
なんか オモシロイ。
薄緑色の地衣類がついた石。抽象画のよう。
ツルリンドウ。
クルリンと笹に巻き付いた蔓の先に 真っ赤な実。
ドングリの実、落ちてる。
足元に 小さくて可愛いものを見つけながら歩いているうちに
少しずつ元気になってきた。
荒木沢の手前まで来た時 目に入ったのは・・・
黄葉の木々。
チョロチョロ流れる水の音を聞きながら 橋に上がっていく。
上流側を眺め・・・
下流側を眺めてから・・・
向こう側へ。
真っ赤な紅葉は見えないけれど、
やわらかな赤に染まったナナカマドやオオカメノキの葉があった。
少し進むと、
ダケカンバが現れた。
その間から 奥に滝ノ小屋の赤い屋根が見える。
少しずつ黄色が広がっていく。
ちょっと下って登り返した先に 滝ノ小屋。
10:20 滝ノ小屋まで来た。
小屋の手前で作業中の方がいて、その方とお話していたのは・・・
前の管理人のSさんではないですか!
お久しぶりです~!
Sさん、久しぶりに滝ノ小屋に登っていらしたとのこと。
滝ノ小屋周辺で写真を撮ろうかと思って来たそうだけど、
期待したような色づきではなかったようで・・・
「久しぶりだから どの辺まで登れるかわからないけど、
河原宿の方まで登ってみようかな」
と おっしゃるので、
河原宿まで ご一緒させていただくことにした。
滝ノ小屋の裏手の斜面。
積雪期に あの斜面を登ってみたんだったなぁ・・・。
鮮やかな紅葉ではないけれど、
なかなかイイ感じ。
小屋周辺を あちらこちら見ながら歩くSさん。
「水が少ないなぁ~。
この辺りからも 水が湧き出していたんだけどなぁ~」
8年間 滝ノ小屋の管理人をされたというSさん、
ここ何年かの気候の変化によって小屋周辺の様子も変化していることをが気にかけている様子だった。
いくつかある沢を渡ったところで、
登山道が続いていく斜面を見上げて眺めるSさん。
その斜面に上がる手前の辺りの雰囲気も好きで、立ち止まって眺める私。
斜面にナナカマドの木がたくさんあるんだけど・・・
そのナナカマドは 薄く色づいているくらいだな。
石がゴロゴロ積みかさなった斜面を登っていき、
道が西側へと方向を変える辺りで 石に腰掛けて一休み。
賑やかな声が聞こえてきたぞ? と思っていたら、
小屋の前に 小学生らしい子どもたちの姿が見えた。そして・・・
Sさんと私の姿を見つけ、
「こ~んに~ちは~!」
と、大きな声で呼びかけてきた。
それに対して 大きく手を振ってこたえる。
代わる代わる次々に
「こ~んに~ちは~!」
と 滝ノ小屋の方から聞こえてくる声に、
何度も何度も 大きく手を振った。
子どもたちは 15分くらい休憩したのだろうか。
「こ~んに~ちは~!」
の声が聞こえなくなったと思ったら、登山道を歩いてくる姿が見えた。
では、私たちも そろそろ行きましょうか。
白糸の滝を眺めてから・・・
西側へと登山道を歩いて行こうと思ったら・・・
Sさんは、くるりと後ろを向いて そのまま斜面を登り始めた。
「八丁坂の途中に出るんだ」
うわ~! 歩いたことの無い道、おもしろそう!
・・・②へ続く・・・