・・・水鏡のような大鳥池に紅葉の木々が映った景色は、まるで万華鏡のよう・・・
・・・以東岳からは クマの毛皮を広げたような大鳥池を見下ろすことができ、
そこには青空と白い雲が映っている・・・
そんな素晴らしい景色を 山歩き1年目に見てしまったため、
毎年秋になると「また あの景色を眺めたい!」と思う。
しかし、
毎年同じように そんなチャンスがあるとは限らない。
今年も ちょどよいタイミングがないまま月日が経ち、
10月下旬になった。
・・・今の状況・状態では 日帰りで以東岳には行けないけれど、
せめて大鳥池まで行きたい・・・
そう思って ようやく向かうことにしたのは 10月31日。
山の上の方は 強風で雲もありそうな予報だったけど、
大鳥池辺りは まずまずなんじゃないかな・・・と。
朝6時頃に出発。
東の空を見ると 雲の下から朝日の光がわずかにのびていた。
櫛引地区に入った頃には、
湯ノ沢~母狩山~鎧ヶ峰~金峯山にも 朝日が当たるようになった。
泡滝登山口の駐車場までは
R112とスーパー農道の交差点から 車で約1時間。
途中から 道は未舗装になり・・・
未舗装路の途中からは ダートな道。
ボコッと掘れた穴を避けながら運転していくと・・・
ようやく向こうに駐車場が見えてきた。
平日ながら 車が4台。(うち3台は 関東地方から)
他に登っている人がいると思うと ちょっとホッとした。
準備をして 登山口まで歩いて行くと・・・
あれ? 水がたくさん流れてるぞ。
今までは ここに透明度の高いエメラルドグリーンの水があったんだけど。
と思ったら、
ダムの工事中なのだった。
登山口から大鳥池までは、この案内図のコースタイムで3時間。
キョロキョロして しょっちゅう立ち止まる私でも、4時間くらいでは着くだろう。
7:51 泡滝登山口をスタート。
この時間のスタートだと、
大鳥池には さざ波が立って、水鏡に映る景色は見られないだろうな・・・。
向こう側、岩だらけの急なところにも 木がたくさん。
水音が聞こえる中を歩くのは とても心地よい。
お! サワフタギの実だぁ。
この辺りにもあったんだなぁ・・・。
沢の向こう側の岩が気になって、しばし立ち止まって眺める。
こんなところに 鶏卵が落ちてる?!
・・・と思ったら、キノコだった。
小さな沢を渡る。
これからいくつも こんな沢を渡りながら行くんだ。
わわっ! 青い実をいっぱいにつけたサワフタギ。
今まで この道を歩いたのは、早朝と夕方の薄暗い時間帯。
辺りの植物をよく見ることをせずに歩いてたからなぁ。
こんなにサワフタギがあったなんて知らなかった・・・。
このサワフタギの青い実のそばには マユミの赤い実もあったよ。
沢を挟んで向こう側の斜面に陽が当たってきれいだ。
下ってきた時には こちら側にも陽が当たっているだろうか。
それとも向こう側の影になっているだろうか。
ところどころに 土砂が斜面から流れてきた跡が。
7月の大雨の時には、
この辺りの山々でも ジャージャーとスゴイ勢いで水が流れたんだろうな・・・。
ふと見上げた斜面に、今まで気づかなかった大きな岩。
あそこまで登って行ってみたい気持ちになる。
山がある場所も成り立ちも違うから 違って当然なんだけど。
なんだろう・・・
足の裏から体全体に響くもの・・・。
すごい根曲がりの木があるぞ。
近くで斜面を見上げたら 迫力いっぱい。
また沢を渡る。
水音が大きいのは・・・
すぐそばの斜面に小さな滝があるから。
夏に来た時、上の方の滝のそばの岩場にギボウシがたくさん咲いてて
その姿に感激したのだった。
この時は 黄色っぽくなったギボウシの葉が見えた。
川の流れとともに道が大きくカーブするところ。
奥に 斜面を流れ落ちる滝が見えた。
小さなものも含め、きっとたくさんの沢が 斜面のあちらこちらを流れてるんだ、きっと。
こりゃまた スゴイ。
私も こんなふうに 強く しなやかで ありたいものだ。
この辺りで また、
沢とともに 道がカーブする。
そして・・・
ちょうどカーブするところの斜面は、
木々が生えてなくて ススキの仲間のような植物に覆われている。
こんなふうに、常に水が流れているからかなぁ。
このすぐ先には・・・
水場もある。
この辺りからは、ブナやトチなどの大木がある。
迫力の大木があるたびに、
そばで見上げたり 幹に触れてみたり。
見下した斜面は 細いブナ(と言っても何十年も経っている木)の林。
茶色の落ち葉の中に石が浮かんでいるような道。
道のわきには イワウチワのツヤツヤした葉がいっぱい。
根が溶けてくっついてきてるように見える。
明るい時に のんびり歩いてると、
やっぱり いろんなものが目に入る・・・。
・・・②へ続く・・・