南高ヒュッテで一息いれ、
今日は ここで折り返そう・・・と外に出た。
すると・・・
あ、青空だ・・・。
この青空を見て、ここで下ろうと思った気持ちが揺らぐ。
ちょっとだけ、歩いて行ってみようか。
・・・と ホントに ちょっとだけ歩いて 不安になり、
折り返してきた。
下ろうと思って振り返ると、また青空が目に入る。
ウロウロ・・・行ったり来たり・・・。
よし、かくれ山分岐まで行ってみよう!(歩いて ほんの1分ちょっと)
と、歩き出した。
前方を見ると・・・少し先からトレースがあるみたい・・・。
歩いて行って 見てみると・・・
右側の林の中から 来てる。
う~ん・・・今の時期、林の中を歩いてくる人は いないと思うな・・・。
もしかして・・・
と 思いながら足跡を見ると、イノシシじゃん!
しかも・・・
合流してから、かくれ山の方へと登山道を歩いて行ってる~。
あのイノシシ、沢を渡って直進し、斜面を登ってショートカットしてきた!
これでもう登る気は無くなり、
ここで折り返すことにした。
独りの時に イノシシに遭遇はしたくない。
南高ヒュッテ前に戻り、
ヒュッテ前の大きな桜の木を見上げ、深呼吸。
細い枝にたくさんツボミが付いているのを見てから・・・
下山開始。
こまったなぁ・・・。
イノシシが この辺りもウロウロ歩き回っているなんて。
もしかして イノシシの姿が林の中にあるのではないかと
キョロキョロしながら下っていく。
この時間は 歩き回らないのかな。
立ち止まると、静かな林の中に 水音が響いている。
南高ヒュッテの方を振り返ると、
さっきより青空が広がったような気がしたけれど・・・
今日は、もういいや・・・。
沢の辺りの植物に氷が付いているのを見つけ
水音を聞きながら しばらく眺めた。
立ち上がった時、辺りに陽が差して パッと明るくなった。
うわ~・・・なんてことだ。
下ると決めてから こんなに晴れてくるなんて・・・。
晴れて青空が見えても、
あのイノシシ・トレースを見て もう登る気が無くなったんだ。
さあ、戻るぞ。
もう一度 振り返って見たけれど、イノシシらしき動物の姿は見えず、
見えたのは 雪面に登る木々の影だった。
こんな日もあるか・・・とガッカリ。
そんな私を ウサギや・・・
テンなどの足跡が なぐさめて?くれた。
ダケカンバの下を通り・・・
見上げて・・・
下った。
少し下っては 空を見上げ・・・
そしてまた下った。
イノシシと私が 並んで登ってきたようなトレース。
・・・あ~あ・・・。
イノシシが この辺りを歩き回っていることに対する不安と・・・
不安から ちょっと登って引き返してきたことに
ガッカリした気持ちと・・・
このまま駐車場に戻ってしまうのが もったいない気持ちと・・・
ゴチャゴチャ・グルグルした気持ちで 下っていった。
開拓登山口の手前まで戻ってきた時、
駐車スペースに車が1台停まっていて、人の姿が見えた。
もしかして、今から鳳来山の方へ?!
・・・③へ続く・・・