前後が強風など荒れた天気の予報の中、
この日は やや風が強そうだったものの曇りで経過する予報だったので、
雪の上を歩きに行くことにした。
凍結した道路の運転が怖くて 出発は9時過ぎ。
鳥海山の方には雲がかかっていて、ところどころ雨か雪が降っているのが見え、
あらら・・・と思いながら湯ノ台へと向かった。
湯ノ台へ上がる所の通行止めが解除になり、
ほんの少しのところが片側交互通行になっていた。
ここからクネクネ道を登って行くにつれ、雪が少しずつ増え・・・
奥に鳥海山荘があるので除雪はされているけれど、
路面は圧雪・凍結。
帰る時には 凍結したところがとけていますように、と思いながら登っていく。
開拓登山口のある駐車スペースに 車はナシ。
車から降りると、空はドンヨリ灰色で ゴオォという不気味な風の音が聞こえていた。
すごく心細くなり、
・・・今日は やっぱり止めよう・・・
と、車に乗ってイヌワシみらい館へ。
イヌワシみらい館の展示を観て帰ろうと 再び開拓登山口の駐車スペースを通る時、
もう一度 車を下りてみた。
・・・せっけく来たんだから、ほんのちょっとでもいいから歩いてから帰ろうかな。
ということで、
11:18 スノーシューを履いて 登山口から歩き出した、
雪の上には ウサギの足跡のみ。
ストックで ちょっとイタズラ。
可愛い目にしたかったのに 不気味な目になってしまった。
ここに 大きな石?が ドン!・ドン!と立っているのが不思議なのだ。
沢の中の石に雪が乗っかって モコモコ。
沢はまだ雪に埋もれていなくて 水音が響いていた。
雪が少し積もった丸太橋を見つつ、回り込んでコンクリートの橋を渡る。
渡った後は、まだ雪が多くはないので 夏道を行く。
今日は、こんな雪質のよう。
あちらこちらの枝に、ぶら下がってる雪のかたまりが。
「ゴオオォ・・・」という不気味な風の音を聞いて 登山口でビビッていたときは、
この辺まで ちょっと歩いて戻ろうかな、と思ってたけど・・・
トレースの無い雪面を見ているうちに、
やっぱり ここで戻るのは もったいないと思い始めた。
ピンクテープが付けられた棒のある石のところまで来た。
空が灰色なのも 風がゴオオォ・・・と吹いてるのも 変わらないけど、
もう少し行ってみたくなった。
ウサギの足跡が元気をくれる。
気に巻き付いたツルがつくるアーチの下をくぐり・・・
雪でなめらかになった道を登って・・・
時々 振り返って見る。
さらに登っていって ふと見上げると
雲の間から青空が見えた。
ドンヨリした曇り空だけだった時は 不安と心細さでいっぱいだったのに、
少し青空が見えると とたんに元気が出てくる。
ちょっとした変化で 気持ちを変えてしまうのだから
空ってスゴイ。
道が少し左に方向を変えると、ウサギ・トレースが現れた。
そうそう、いつも
こっちの尾根を登って来るウサギ・トレースがあるんだよね。
この尾根を いつか下って行ってみたいな、
と思っているのだけど、どうだか。
夏道を登って行ってますね~。
見上げたブナの木々には、殻斗がたくさん残ってる。
来年の春には、可愛い芽が たくさん顔を出すだろうか。
でも、
たくさん出た芽の中で、大きく成長するのは ほんの僅かなんだな・・・。
さらに左寄りに方向が変わると、別のトレースが。
キツネだろうか。
道がなだらかになった。
ウサギとキツネのトレースは 林の中へ。
斜面を登ってきた別の足跡。
誰だろう・・・。
儀式のように ダケカンバの下を通っていく。
左側に目を向けると、
さっきから木々の間から南高ヒュッテがチラチラ見えている。
ここまで来れば、南高ヒュッテまでは行くよね。
前回 気づいた炭焼き窯跡。
雪を少しどけてみたけれど、石は見えてこなかった。
思ったより雪が積もってるみたい。
炭焼き窯跡のそばから沢を見下ろしてみる。
キツネのトレースは、私の足下から急な斜面を下って行って 沢の辺りを・・・
いや、よく見たら、沢の雪の上にあるのは ヤマドリのようだ。
2つの小沢は だいぶ雪に隠れてしまっている。
沢を渡るポイントを見おろすと、向こう側の斜面に滑り降りた跡が。
ヤマドリは 南高ヒュッテ側の斜面を下って来て 沢に滑り降りたようだ。
その様子、見たかったなぁ・・・。
ヤマドリの足跡のすぐそばに キツネ・トレース。
いろいろ想像しながら沢の方に下りた。
あそこで ちょっと跳んだのかな・・・
なんて眺めた後に、斜面を登って行く。
もっと雪が積もったら、
沢を渡って そのまま正面の斜面を登っていくのだけど、
まだ夏道を登って行く方がいいかな。
12:06 南高ヒュッテまで来た。
ヒュッテの建物のそばでは、
あの山ブドウが雪をかぶっていた。
おお~、陽が差してきた~。
イヌワシみらい館から そのまま帰らずに ここまで登ってきて良かったなぁ。
・・・②へ続く・・・