THANKS TO YOU !!!

のんびり山などを歩きながら 目に入ったものをパチリパチリ。そんな写真による記録。

◆『いま生きているという冒険』…石川直樹:著

 

気になった番組は  とりあえず録画しておき、
観ておもしろかったものは  何度も繰り返し観る。

昨年11月にNHKで放送された『8000mで見た生と死 ~写真家  石川直樹の記録~』も その一つ。

最近また観て、石川さんの著書を読みたくなった。



中学二年生の時の高知への最初の一人旅から始まり、
高校二年生でのインド一人旅!
それから アラスカ、北極から南極まで人力での旅、七大陸最高峰登頂・・・
ミクロネシアに伝わる星の航海術での船旅・・・
熱気球での太平洋横断・・・

「『未知の場所を旅したい』という願いとともに、
海・山・川・極地・砂漠・ジャングル・・・と 地球上のいろいろなところを旅してきた」ということが書かれていた。

 


石川さんの文章は とても読みやすく、一気に読んでしまった。
ところどころに登場するイラストは、 文体とどこか似ている気がした。
写真がたくさんあったのがうれしい。


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◆心にとまった文章の中からいくつか。

 

単独で登山をしているときはもちろん、たとえチームで登っていたとしても、基本的には自分の身体をコントロールしているのは自分です。次に踏み出す足の置き方を間違えたら、危険にさらされてしまうような場所がいくつも出てきますが、ぼくはそういう所にいるときになぜか心の底から幸せを感じるのです。

・・・これ、わかる気がする。
   石川さんが体験する危険な場所を歩いたことがあるわけではないけれど。

 

チョモランマの頂上付近では、誰もが一人の生身の人間として自然と向き合わなければなりません。お金持ちもそうではない人も、王様もサラリーマンも、年上も年下も関係ありません。今この瞬間、この場所における自分自身のありかたが問われるので、みんな真剣だし、命がけです。・・・こういった心持で常にぼくは世界と接したいと思います。

・・・「自分自身のありかたが問われる」。
   心に響く言葉。

 

・・・・・機械や装備に寄りかからず、そういったすべての要素を知恵に置き換えることができるとしたら、その人は身体一つで歩き続けることができます。それは人間に備わっている野生の力を最大限に引き出した、もっともシンプルで力強い生き方につながっていくのです。

・・・そういう生き方ができたらいいなぁと思いながら、
   そうできずに ここまできてしまっているなぁ・・・。

 

毎日のように夜空を眺め、砂浜を駆け抜けているうちに、自分の中の時間の流れが少しずつ変化していきました。身体の片隅に残った島の時間の感覚は、日本に帰ってまた慌ただしい生活にもどっても、自分にとって何よりも大切にすべき感覚の一つです。

・・・時間の流れや感覚が常に同じではないことを、山に行くと  いつも感じる。
      私が山にいく理由の一つが この「時間の流れ」かもしれない。

 

固定化されたものより流動的なもの、目に見えるものより見えないもの、理性的なものより非理性的なものに、より確かな存在の強度があるとぼくは思っています。

・・・そう思います。


地上では視線の先に一つ一つの建物や木や人の姿がありましたが、ここではそれらをすべてひっくるめた“ぜんたい”と向き合うことになります。・・・・・たとえ都市の中で孤独を感じても、やはりひとりひとりの人間は世界と共にあります。上昇し続ける気球の中で、ぼくの視線や思考や感覚も流動し続けていました。

・・・普段は意識していないけれど、私も世界とつながっている。

 

現実に何を体験するか、どこに行くかということはさして重要なことではないのです。心を揺さぶる何かに向かいあっているか、ということがもっとも大切なことだとぼくは思います。

・・・いつも心が自由に動く状態でいたい。

 

・・・・・ニュージーランドの原生林で感じた一つの森がすべての森であるという思いは、空の先にある宇宙と自分の身体のなかにある宇宙を共振させるためのヒントになると思うのです。

・・・すべてが振動している・・・。

 

いまぼくたちが生きている物質的な空間とは別の世界が確かにあって、それは「ここ」や「あそこ」にあるのではなく、あらゆる場所に存在しています。

 

 

旅をすることで世界を経験し、想像力の強度を高め、自分自身を未来へと常に投げ出しながら、ようやく近づいてきた新しい世界をぼくはなんとか受け入れていきたいと思っていました。そうすれば、さまざまな境界線をすり抜けて、世界のなかにいるたった一人の「ぼく」として生きていける気がするからです。

・・・私も、世界のなかにいる たった一人の「わたし」。
   あらためて そのことを思う。