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のんびり山などを歩きながら 目に入ったものをパチリパチリ。そんな写真による記録。

◆『鳥海山~雪と氷の季節~』…写真・文:佐藤要

 

出ました、佐藤要さんの写真集!
しかも・・・
雪と氷の季節の鳥海山の。

 

 

鳥海山の冬は、
その地理的条件による強烈な季節風により、他の東北の山には無い独特の厳しさがある。

冬型の気圧配置になると、強風と降雪、濃霧と地吹雪の日が続き、人間が太刀打ちできる隙は無い。
冬型が緩んだほんの一瞬、季節風が残した爪痕に自然の正体を見ることができる。
それは雪原に刻まれた風紋であり、山頂付近を覆う岩氷である。

 



稀に見る冬の晴れ間を期待して鳥海山に登り、風紋や岩氷を主題にして写真撮影を続けてきた。
気まぐれな天気に翻弄されて、思ったように撮影できない年も多くあった。
そんな時は、次の冬を待つしかない。
花々が咲き競う真夏の山で冬の光景を夢想した。
雪の無い山を歩きながら、厳しい雪の季節を待っていた。

 



長年同じ山を登っていると、
地球を取り巻く環境の変化に気が付くことが多くなる。
変化は雪山で顕著に現れる。
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鳥海山は紛れもなく地球温暖化の渦中にある。

 

晴れた日に麓から見る鳥海山は美しい。
だが、
実際に雪の山に登ってみると、多くの現実に直面する。
雪に覆われた鳥海山が、後世にわたって素晴らしい山であることを、願って止まない。

 

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私にとっては、
雪の季節に登山口まで運転して行くだけでも勇気が要ることなのに・・・
なかなか無いチャンスを狙って 重い荷物を背負って雪の中を登り、
雪と氷の鳥海山(しかも山頂付近も)を長年撮り続けるということは、
本当に大変なことだろうし、スゴイことだと思う。

私はまだ 雪の季節の鳥海山の外輪に立てていないのだけれど、
この写真集の鳥海山を見て、いつか青と白の鳥海山の外輪に立ってみたいと思った。