熊野岳山頂には 後から行くことにし、
まずは 御釜を見下ろせる方を回って馬の背へ歩いていこう。
熊野岳の東側は、
雪が吹きとばされて 地面が薄っすら見えていた。
馬の背の向こうには 青のグラデーションの山並み。
奥に吾妻連峰。
北蔵王縦走路への分岐。
そこから ぐるんと回って方向を変えていく。
さっきそばを歩いてきた避難小屋の方を見る。
小さな石の一つ一つに『エビのしっぽ』が付いた辺りは、
霜柱で盛り上がった地面を歩いている感じ。
棒の東側にも エビのしっぽが付いている。
強い東風が吹いていた時もあったようだ。
御釜、見えた~。
金属の棒、ロープ、草、石・・・
そこら中のものに エビのしっぽが付いていた。
南西の方へ。
歩きやすそうに見えるけれど、
『モナカ雪』のような状態で一歩一歩が数センチ沈むので、
歩きづらい上に けっこう体力を奪われた。(強い西風も吹いていたし)
左に飯豊連峰、右に朝日連峰を見て・・・
南へと方向を変える。
吹雪やガスで辺りが真っ白な時は、この標柱が頼りになるんだなぁ。
西風が吹き抜ける馬の背は、予報通り強風だった。
でも、まだ普通に?歩ける程度だったので、
風速は数m/sくらいだったのだろうか。
途中、御釜を見下ろして眺めて。
馬の背には トレース無し。
刈田岳付近にも そこまで続く道にも 人影は無し。
冷たい風が吹く中をたった一人歩いているのは、
寂しい感じもするけれど
同時に自由も感じる。
こんなふうに独りで歩いていると、
自分が どこか別の時間とか場所を歩いているような不思議な感覚になる。
そういう感覚が、また好きなんだけど。
美しい・・・。
ここまで来れば、刈田岳は もうすぐ。
神社を見上げ、階段を上っていく。
階段にも エビのしっぽ。
おかげで? 滑ることなく登って行くことができた。
13:12 刈田岳に到着。
南蔵王の方を眺める。
「いつか 向こうにも行ってみたい」と何度もここから眺めていた南蔵王に、
今年は 登って行くことができて嬉しかったなぁ・・・。
細く続いている登山道を目で辿ってみた。
神社の方へ行ってみる。
風のあまり当たらないところで 昼食休憩にしようかな。
刈田岳山頂からの御釜。
凍り付いている神社。
石垣と建物の間から冷たい西風が吹き抜けている。
階段の下に入って行ったウサギの足跡。
(覗いてみたけど、この時は いなかった。)
風が少し弱く感じられるところで 軽く昼食。
体が冷えてしまわないうちに 戻ることにする。
景色を眺めながらのんびり、というわけにはいかなかったけど、
やっぱり刈田岳まで来てよかったな。
・・・④へ続く・・・