THANKS TO YOU !!!

のんびり山などを歩きながら 目に入ったものをパチリパチリ。そんな写真による記録。

◆『自然をこんなふうに見てごらん 宮沢賢治のことば』…澤口たまみ:著

 

タイトルにも 表紙の写真にも 惹かれた本。


宮沢賢治の言葉に 著者のエッセイが添えられている。

 

 

目次に並ぶ言葉も スッと心に入ってくる。

[パート一]立ち止まってみる
      そばにある感動を見つける

[パート二]感動するこころと向き合って
      発見を言葉にする

[パート三]新たな発見に出会う
      視野を広げて

[パート四]つまらないものはない
      先入観を捨ててみる

[パート五]暮らしとともにある自然
      よりよく自然とつき合う

[パート六]自然を見つめるこころ
      幸せを願う

 

 



澤口さんの文章で 今の私の心にとまった言葉の中から いくつか。

 

ふと足を止めた、その足もとにも、極上の瞬間は存在しています。

 

 

空がきれいだ。
ただそれだけで、涙がこぼれそうになるときがあります。
とてつもなく悲しかった日の朝、ふと見上げた空がいつものように明るくなってきたときには、こんな日でも地球は静かに回っていて朝が来るし、空は明るくなるのだと、心が震えました。

 

森や野原には、
虫や生きものたちだけに感じられる未知の匂いが、
密やかに満ちていることでしょう。

 

わたしたちは自然を見るとき、
知らず知らずに自身の気持ちを
重ねています。
・・・・・
こころを動かされたら、その気持ちを、
自分の言葉にしてみませんか。
自然に向き合う日々は、
自身と向き合う時間を
もたらすものかも知れません。

 

目を凝らすことではじめて見えるものが、
この世にはたくさんあります。

 

親しくなったノイバラの木があります。
「いまどうしているかな」と案じ、たびたび足を運んでいると、
一年のおおよその変化を知ることができます。
そうするとわたしのこころにも、いつしかノイバラがすみついてくれたように思うのです。

 

どんなに足しげく通っても、
つぶさに観察したつもりでも、
出会うたびに新たな発見が尽きないのですから、
ほんとうの意味で相手を知るのは、とても難しいことなのだと思い至ります。

 

 

 

この世のあらゆる生きものは、
互いにつながりを持って存在しています。
いなくなっていい生きものなど、
この世にはひとつも存在しません。
さまざまな生きものに目を向けてみませんか。
足もとの小さな虫に、思いがけず
励まされる日が訪れるかもしれません。

 

虫は、私たちにとって最も身近な野生動物で、
こころを寄せさえすれば、いのちのドラマを目の前で見せてくれます。



自然は二面性を持ち、
美しくも厳しく、恐ろしくも優しいものです。
美しさや優しさに親しむことが、
厳しさや恐ろしさを直視し、備えることにつながりますように。

 

自然を愛する者の感性は、
地中深くから宇宙の果てまで瞬時にかけめぐることや、
太古の昔から未来へ旅することを可能にします。
それはこころの緑の切符です。

 

子どもたちにとって、
学校でも家でもない第三の場所があり、それが野原や林であることは
何という幸いでしょう。

 

遥かな時間軸のなかで輝く天井の星々も、
たったいま足もとの草むらで生まれた虫の子どもも、
その存在に目を向け意識することによって、わたしたちのこころに刻まれてゆきます。
人生において、どれだけ多くの存在を感じてゆけるかは、
豊かさのひとつの尺度と考えてもよいのではないでしょうか。

 

 

 

「そうだよな~」
と、今の自分にすううっと入って来る内容・言葉の本に出逢えたことに感謝。