さて、これからどうしようか、と 東屋で風に吹かれながら考える。
思っていたより早く山頂まで登ってきて、まだ10時過ぎ。
このまま登ってきた道を引き返すのは やはり もったいない気がする。
今の自分の体力では登り返しに不安があるけれど・・・
天気はいいし、時間はあるので、
十二滝側に下って見ることにした。
斜面を下るまでの稜線の道も好きだし・・・
斜面を下る道も、急でキツイけれど 雰囲気は好きだし・・・
このまま登ってきた道を下って終わったら きっと後悔してしまう。
ってことで、
10:11 山頂から十二滝側へ下り始めた。
下り始めてすぐ、右前方にある鳥海山が目に入った。
今までも ここで鳥海山を見ていたんだっけ?
同じ山を何度歩いても、視線を向けるところが違うと 目に入るものが違うので、
新鮮な気持ちになったり 驚くことがあったり・・・。
そこから視線を右に向けていくと・・・
山頂付近のところどころに雪が残る山が 奥に見えた。
もしかして・・・丁岳?
登るたびに、あらたに知りたいことが出てくるな。
風が吹き抜け、ブナの葉がサワサワと心地よい音を立てて揺れていた。
開いて間もないやわらかな葉が 陽に透けてまぶしい黄緑色に輝いている。
早春の花が咲くころもいいけれど・・・
この時期も いいなぁ・・・。
もうすっかり花の時期を過ぎて会えないかと思っていたイワウチワ。
まだ咲いてる花があって嬉しい。
シキミが いつもの場所に。
斜めに起き上がったような岩。
こんな岩が ここから何か所もある。
毎度撮りたくなるマツの根元。
ゴツゴツした岩の上に生えて伸びていくための。
ここからギュギュ~ンと下って 向こうへ登り返しだ~。
と 下り出してすぐ、
右側に咲いてるムラサキヤシオの花が目に入った。
今シーズン初めましてなので うれしい!
急な階段を下り・・・
平べったい岩を立てたようなところの西側の狭い道を通って・・・
登り返していくと・・・
『須弥壇岩』がある。
どこの山が見えているのか分からなくて残念。
でも・・・奥の山は丁岳かもしれないぞ、と思う。
台座を重ねたような岩を向こう側へ歩いて行く。
崖下に落ちないようにドキドキしながら・・・。
岩の向こう側まで行ったところに ツツジあり。
これもツボミだ・・・。
『須弥壇岩』を過ぎると・・・
道の両側に ブナが多くなる。
もうすぐ開きそうな葉や 開いて間もない葉が 風に吹かれている様子を
しばし立ち止まって眺めた。
こんな岩が たくさんあるので、
この辺りが海底だった頃の岩が隆起したのかなぁ。
尾根上のあちらこちらにある岩や『猿渡りの蔵』を見ていて
オボコンべ山に似ているなぁ・・・と思った。
頭の中で 岩がゴ・ゴ・ゴ・・・と隆起していく様子を早送りしながら歩いていると・・・
突然 シュンランが現れてビックリ。
それでもまた 頭の中に
何万年も前の様子を想像する映像がずううっと流れていると、
「今ここにいる 私たちを見てよ!」
と言っているかのように 花が現れるのだった。
ボ~ッとして歩いていると、
小さなアップダウンや木の根などで つまづくといけないね。
歩いていてワクワクした気持ちになれる道。
西側に目を向けると、
木々の間から 来るときに通った集落が見えた。
じ~っ・・・。
気になって、何度も立ち止まっては 岩を眺めたり触れてみたり。
こういうところは、思わず小走りしたくなる~。
ダ・ダ・ダ・・・
この先の・・・
なだらかなブナの道がキレイなんだよね・・・。
ここは小走りで通り過ぎてしまうのが もったいなくて、
ゆっくり歩きながら キョロキョロ。
風に吹かれているホオノキの葉。
パタパタと空に飛び上がっていきそうなマンサクの葉。
尾根の端の方に近づいてくると・・・
ツバキが現れる。
大きな株のブナ。
思わず立ち止まって見上げる。
ゴツゴツした岩の山に こんな大木がたくさんあるのがスゴイ。
そろそろ道は下りに入る。
少し下って行き・・・
木々の間から 鳥海山を眺め・・・
急斜面を下る道に入っていく。
・・・③へ続く・・・