車道終点の建物が近くに見えるところまで来たので、
ここまで来たら 滝ノ小屋まで行きたいよね。
小屋の右側に視線を移すと、
昨年8月末に登った丁岳。
下山途中で 登った天狗岩も何となく見えるぞ。
その時は、鳥海山の上の方がガスで見えなかったけれど、
晴れていたら、向こうからの鳥海山の眺めも素晴らしいんだろうな・・・。
神室連峰。
ガンチャンさんから連れて行っていただいた残雪期の軍沢岳から
白い屏風のように連なる神室山を眺めたことを思い出す。
月山は・・・上の方にガスがかかってきた。
前回も見た細くクネクネな木を撮って・・・
さっきより雪煙が上がってるな・・・なんて外輪を眺めながら
滝ノ小屋への最後の登りへ。
よし、ここを登っちゃえ~。
登りきったところで振り返って見る。
南西側の空には、飛行機雲がリボンのようにヒラヒラに広がった雲。
滝ノ小屋、見えた。
結局 滝ノ小屋まで登ってきたなぁ・・・。
滝ノ小屋は見えたけれど、
まっすぐ小屋へは行かず・・・
周辺をウロウロ。
気温の高い日が続いたからか、ハッキリした風紋は無いな・・・。
うわ・・・ホントにいい天気だなぁ・・・。
滝ノ小屋より上に上がってみるチャンスだったのにな・・・。
滝ノ小屋で折り返しかな。
と 思ったけれど、
時計を見れば まだ13時を過ぎたばかり。
河原宿まで上がる心の余裕は残念ながら無いのだけれど、
斜面の途中まで登ってみようかな。
少し登るたびに 立ち止まって グルっと景色を眺める。
登ってきた斜面。西側の景色。東側の景色。遠くの山々。空。雲。
風が穏やかに吹き・・・陽ざしが暖かく降り注いで・・・
とても気持ち良い。
ソロバン尾根の方へと向かったトレースと 月山森の方へと上がって行ったトレース。
2つのトレースが交差していたところで
折り返すことにした。
私にも、ここを登って外輪に上がれるチャンスがくるといいな。
足元の雪を踏んで 斜面の途中でちょっと一休み。
私が眺めている山々に登って
こちらを眺めている人たちがいるかもしれないな。
13:33 では、折り返しましょう。
何度も振り返ったり、あちらこちらを眺めたりしながら 下っていく。
何度目かに振り返った時、
下ってきた人の姿が小さく見えた。
急な斜面の下り、どうかな・・・と思ったけれど、
それほど沈み込みは無く、
ズルズル滑るわけでもなく、
そのまま下ってきて大丈夫だった。
下の方に、滝ノ小屋を出て下っていく人の姿が見えた。
あちらこちらで立ち止まりながら ゆっくり下っていると、
さっき下ってくる姿が小さく見えた方が あっというまに追いついてきた。
宮城から来たというこの方は、
前泊して午前3時ごろにゲートの駐車スペースに着いた時は 一番のりだったそうだ。
暗い中をスタートして 新山まで行ってきたそうだ。
「この時期の鳥海山に初めて登って 新山まで行くことができて良かったです。
景色はサイコーでした~」
とイキイキと話す彼女を羨ましく思った。
昨年初めて 宮様コースを通って滝ノ小屋まで登った私。
ちょっとずつ折り返し地点の標高は上がっているけれど・・・
外輪に上がれるのは いつになるかな・・・。
・・・⑥へ続く・・・