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のんびり山などを歩きながら 目に入ったものをパチリパチリ。そんな写真による記録。

◆'23/02/11 鳥海山山麓・開拓登山口より⑤…目指せ、滝ノ小屋

 

西物見付近で真っ白な外輪を写真におさめた山形市の方は、
「時間なので 戻ります。
 コースタイムからすると 滝ノ小屋まで行けるかな~という感じですけど・・・
 明日もあるので。
 真っ白な外輪を見ることができて良かったです!」
と言って 元気な声・表情で折り返していった。

・・・私のペースだと、滝ノ小屋まで あとどのくらいの時間がかかるんだろう?
・・・いや、まずは滝ノ小屋まで行けるかどうか、状況次第だな。

ゆっくりペースで進む状態。
だんだんガスが流れてきている辺りの景色。

「状況を見ながら 行けるところまで行こう」
という気持ちと、
「ここまで来たら 滝ノ小屋まで行きたい」
という気持ち、
心の中には両方あったけど、とにかくゆっくりでも進もうと思った。

   

この辺りからは、足元の風紋に目を奪われる。

 

 

振り返ると、大黒台のブナ林も その向こうも、ガスの中だった。

そんな様子を見ると 不安な気持ちになるけれど・・・

 

足元を見れば、芸術的な風紋が そこかしこにあって、

 

ワクワク!

ちょっと登っては 立ち止まって眺め・・・

またちょっと登っては 立ち止まって眺め・・・

この先には どんな風紋が現れるだろうと思うと さらにワクワクした。

 

不安とワクワクとが入り混じった気持ちで 登っていく。

 

そして、時々振り向いては 様子を見た。

 

ここから上に行くにしたがって、徐々に風は強くなっていくので、
足元の雪はカリカリした状態のところが多くなって トレースはハッキリしなくなっていく。

 

ブナ林は無くなり、
灌木に混じって あちらこちらにダケカンバがある。


「今日は この先のダケカンバが3本立ってるところまで リハビリ登山です。」
ホタルさんに初めてお会いした時のことを思い出した。
・・・・・

ぼ~っといろいろ思い出しながら歩いていたら、
突然沈み込んでビックリしてしまった。


カリカリしたところばかりでなく、
あちらこちらに やわらかいところもあるのだった。

前方は、少し前までの青空がウソのようにガスが濃くなってきて、
風も 少しずつ強くなってきた。


地形や灌木の傾きが見えていて方向はわかるので、
このまま進んで行ってみる。

しばらく登っていくと、石が見えてきた。


大きな石が現れると、滝ノ小屋は近い。

 

もう少しだ・・・というところまで来て、
さらに辺りがガスで白い状況になって、ついに立ち止まった。

 

滝ノ小屋への標柱を見つけられなかったけど、
滝ノ小屋の方向は分かる。
もう、ここから右斜めに下っていけば、建物が見えてくるはずなのだ。

少し立ち止まって様子を見ながら待っていたけれど、
すぐにガスが晴れるようではなく、ゴーゴーという風の音が響いていた。


・・・もうすぐ滝ノ小屋に着くはずだけど、
   もうここで引き返した方が良いのかもしれない・・・。

12:20 しばらく迷った末、折り返そうかと後ろを向いた。

が、その直後、
背後から 人の話し声が大きく聞こえた。

・・・やっぱり滝ノ小屋は すぐそこなんだ。

もう一度 滝ノ小屋の方を向くと・・・

 

ガスの中に、滝ノ小屋の建物が現れた! 

そして・・・

鳥海高原ラインから宮様コースを登ってきた方たちの姿も見えた。

滝ノ小屋がすぐそこにあって、向こうから登ってきた人たちの姿もある・・・
と確認して ちょっとホッとした?ところで、

滝ノ小屋まで下っていく斜面の風紋を眺め、撮り始めた。

 

強風が吹き抜けるこの辺りには、
訪れるたびに 見事な風紋があるので、

 

「滝ノ小屋まで行くことがことができたら ぜひ見たい」と思っていたものの一つだった。

 

冷たい西風が吹いてきて寒いのだけど・・・

 

その西風が吹いてくる方を向いて風紋を風紋を眺め、シャッターを押した。

 

少し風紋を眺めてから滝ノ小屋の方を見ると、
ナント小屋の奥に真っ白な外輪が見えていた。

小屋の方へと少し斜面を下ったところで・・・


また立ち止まって風紋を眺める。

 

ずうっと眺めていても飽きない感じだけど・・・

 

何だか またガスが流れてきそうなので、
真っ白になる前に小屋へ行くことにした。

 

12:26 滝ノ小屋に到着。
      
素晴らしい景色を眺めたり 月光坂とその先の急坂に時間がかかったりして、
スタートから4時間45分もかかったよ。

小屋の中で休憩して もう少し登ってから滑って下る人たちや
この日 泊まって翌日に山頂を目指す人たちもいそうだった。

私は・・・
樹林帯まで下ってから休憩することにしよう。

 


12:30 滝ノ小屋からを後にし、下山開始。

 

ガスと冷たい西風。

 

こんな景色を眺めながら こんな状況の中を歩いていると、

 

なぜか とても満ち足りたような気持ちになった。

 

晴れた時の青と白の景色とはまた違う美しさがあり、
感動・感激があるからだな・・・。

 

 

 

振り返ると、
滝ノ小屋は ガスでボンヤリ見えていた。

 

 

 

真っ白ではない。
薄いピンク色やクリーム色、薄水色などが合わさったような景色。

 

斜面を登り切って 振り向いても滝ノ小屋が見えなくなって間もなく、

 

来るときには見つけられなかった道標が見えた。
・・・ありがとうございます。滝ノ小屋まで行ってくることができました。・・・

 

辺りが白くなったかと思うと・・・

 

真っ青な空が見えたりして。
この繰り返しらしい。

 

外輪は ここよりもっと強風なんだろうな。
でも、山頂まで行った人たちもいるのかな・・・。

 

 

 

憧れの積雪期の外輪。

 

いつか 登るチャンスがあるといいなぁ・・・。

 

西風とともに次々と流れてくるガスを眺め、
まだまだ眺めていたい気持ちもありつつ・・・

 

でも下らなくては・・・と自分に言い聞かせ、
これから下っていく方を見ると・・・

 

下の方もガスガス。
しかも、暗い灰色に見えたりして・・・。

 

うわ・・・と思ったけれど、

 

時間は ある。

 

焦らず 慌てず、

 

ゆったりした気持ちで下っていこう。

 

そう自分に言い聞かせ、

 

何度も振り向きながら下った。

 

                       ・・・⑥へ続く・・・